デンマークから学ぶこと

デンマークは面積が日本の九州程度(グリーンランドは含まない)、人口は約560万人。ヴァイキングを祖先に持つ国。アンデルセン、ロイヤルコペンハーゲン、レゴなどで有名。畜産がおもな産業。環境立国でもあり国内電力の約16%は風力発電です。税金等の国民負担は多いが、負担する金額に見合う政策を実行するという考え方がある。基本的に公共のものは安く、医療・教育・福祉に対してはほとんど無料。年金は40年間税金を払っていれば、国籍は関係なく誰でももらえます。物価は高めですが、給与も労働時間の割には高めです。生き方の自由、男女平等、少数派の意見の受け入れなど寛容な精神があると思います。誰でも自立・独立していく考え方があり、家族というより個人を重んじる風潮があります。それゆえ家族でというより、個人個人が誰でも助け合うという考え方があるように思います。「共生」の世界。自立と助け合いが人の世のすべて。障がい者には早期年金が支給され、住居や生活支援も保障されているので,地域でグループホームやアパートなどで自立して生活しています。障がいがあって一般就労が不可能な場合に通う作業所やデイセンター・デイホーム・ショートステイ・デイサービスなど障がい者の保障は、家庭の収入にかかわらず国が無償で行う。すべて税金です(もちろん税金は高く、消費税は25%)。すべての人を対象として、生活の場と活動の場が設けられる。安心なのです。もうひとつは、周りにいる人たちの考え方・接し方だと思います。それは、もともと障がい者がこの世に生を受けるのは当たり前であり、特殊ではないと思っているためです。全体の約10%前後が何らかの障がいを持って生まれてくるとされています。人間の営みの中で当たり前のことであれば、みんなで助け合っていこうということです。共生の精神であり差別はありません。健常者と同じ立場で考えてくれることです。なにより母親が責任を感じることもありません。


デンマーク社会には、「国民一人一人が自立できるように、国民一人一人が支え合う社会」がある。一人でも生きていける社会にはメリットもありデメリットもある。人に頼り頼られる関係があることで、幸せを感じることができる時もある。デンマークが「高福祉・高負担」を実現し住みやすいと言われるのは、デンマークが小国であることも大きく、小世帯の方が国と国民の一体感が生まれ経済活動も行いやすいというアドバンテージがある。日本がデンマークと同じことはできないし、する必要もない。しかし、共生して生きるという意味ではデンマークを見習うべきです。それは障がい者にとっての幸せがあるとともに、健常者にとっての充実感が得られると思います。